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「一緒に山へ行く(パーティーを組む)」ということ

 私が心を許し、ハードな山行でも同行する友は、極めて僅かで、数人だけだ。
私は「一緒に山へ行く」ということは、「万が一の場合、運命を共にすること」だと思う。最悪の場合、背負ってでも降りてくる覚悟があるし、背負ってでも降ろして貰えると信じている。
 万が一の場合に助けることができ、助けて貰える相手としか行かない。自分が責任を持てない相手と行くのは、無責任だと思っているし、パートナーに一方的に世話になるだけの山など行きたくない。
 だから、夏の低山は5,6人のパーティーで行くこともあるが、冬は多くて三人、ときには一人だ。雪山では、人の世話をするゆとりは全くなく、初心者などには、その安全を私が保証できないからだ。

 そこで、ほぼ同じ時期に発生した4つの山岳事故を考えてみた。ほぼ同時期に鈴鹿の竜ヶ岳でも遭難があった)全て2人のバーティーだ。遭難時に、同行者はどのような行動を取っただろうか。
「一緒に山へ行く(パーティーを組む)」ということ_d0054692_194332.jpg

8月15日の記事、上が朝日、下が毎日だ。クリックすると拡大画像が表示される。

剣岳の事例を除き全員無事だったが、内容は違う。
 剣岳 アンザイレンして登攀中に滑落したが確保しきれず転落一人死亡、一人重傷。   30代
 御岳 膝の痛みで動けなくなったためビバーク。 夜明けを待って一緒に下山 30代
 鈴鹿仙ケ岳 同行者が遅れたため一人だけ先に下山。 60代
 鈴鹿竜ヶ岳 道迷い 山中でビバーク後、自力で一緒に下山 30代

 特に気になったのが、「同行者が遅れたため自分だけ先に下山」という部分だ。私の情報は新聞の記事だけだから、事実とは異なる可能性もあるが、朝日も毎日もほぼ同一の内容を報じているので、そう大きく離れたものではないだろう。(中日は先に下山した事実だけ報じて、その理由には触れていない)

 一緒に山へ行ったのに、「同行者が遅れたため自分だけ先に下山」するのだったら、何のための同行だったのだろうか、私は理解に苦しむ。分別が年齢に比例するとは毛頭思っていないが、60年以上の年を重ねて学んだのが、「自分さえ良ければよい」ということだったとしたら、その人生は余りにも情けない。

※ いつもマスコミ報道が正しいとは限らない。報道が明らかに間違っている場合も、意図的に事実を曲解して報じる場合もままある。もし、事実が報じられたものとは異なっているようだったら、関係の方々に多大な迷惑をお掛けすることになってしまう。

 私はそれらの方々の心と名誉を傷つける意図は毛頭ない。間違いが明らかになった時点で直ちに訂正する。
 至急正しい情報をお寄せいただきたい。

by taketombow | 2009-08-19 20:06 | 私の山歩き  

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