BC級戦犯裁判

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林 博史 著
ISBN:44004309522 岩波書店・刊
定価(740+TAX) 円

 戦犯にABCの区別があることは知っていた。そして、それは罪の重い順だと思っていた。だから、靖国神社にA級戦犯を合祀するなんてもっての他だと考えていた。それが違うことを知ったのはこの本を読んでからだ。1945年のロンドン協定、国際軍事裁判所条例によって
A 平和に対する罪 戦争の計画、準備
B 戦争犯罪
C 人道に対する罪
の3つが定式化されたという。いわば、A級はリーダーとしての罪、BCはその実行責任者としての罪を問うものだ。この本は、その中でBC級戦犯の裁判を検証している。何が明らかにされ、何が問われたのか。豊富な資料を基に事実を浮き彫りにしていく。
 そして、それらを通して私たちの戦争観を問いかけている。本当に避けられなかった戦争なのか、「命令だったから」といって自らの手で実行した非人道的な行為には、全く責任はないのか。天皇陛下の赤子として、大日本帝国軍人としての前に、「良識を持った一市民」として生きることはできなかったのか。「できなかった」ということで、諸外国国民に対する数多の酷い仕打ちは免責されるのか。
 この辺りに、今の日本とアジア諸国との認識の違いの原因があるような気がする。
日本の過去と現在を自己反省的に見つめるのに、最適な一冊である。
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by taketombow | 2005-08-22 15:50 | 私の本棚から  

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