「蝉しぐれ」

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藤沢 周平 著
ISBN: 416719225X 文芸春秋 刊
定価: 660 (630+TAX)円

 藤沢周平の小説は良く読んでいる。しかし、買って読んだのは初めてだ。何となく、暇つぶしや気分転換に小説月刊誌を買って読むとき、掲載されているのでついでに読んでしまう場合が多い。だから、いつも、さほど期待はしていないが、つまらなかったという経験はなかった。

 今回、市川染五郎、木村佳乃という配役で映画化された。ぜひ見たかったのだが、とうとう機会を逸してしまったので、原作にあたった。。

 物語は、東北にある架空の小藩、梅坂藩の組屋敷のある朝の情景から始まる。幼なじみの隣家のお福との淡い恋、友情、藩主の跡継ぎを巡るお家騒動。それらに凛として立ち向かいながら成長していく様子を鮮やかに描いている。
 青春とは、目前の課題に逃げることなく精一杯取り組んでいくこと。そういうかのごとくの、主人公のひたむきさ、生一本さに好感が持てる。
 ふと、井上靖の「あすなろ物語」を思い出した。
ほろ苦くも懐かしい青春の日々、それらを経て少年は青年へと脱皮していく。
 久し振りに読後感のさわやかな作品を読んだ。
 
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by taketombow | 2005-11-18 21:33 | 私の本棚から  

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