劇団四季のミュージカル「異国の丘」

 先日、劇団四季のミュージカル「異国の丘」を見てきた。

キャッツ、オペラ座の怪人、ライオンキングと幅広い年齢層に支持されている劇団四季であるが、更に高い年齢層も取り込もうと考えたのが昭和の歴史三部作かなと思う。その第二弾に当たる作品だ。

 鑑賞後の感想は「・・・・・・」だ。

私のチケットはS席9450円だったが、私の感動はその半分程度にしかならなかった。「少しがっかり」というところかな。

 まず、脚本が物足りない。

歴史観に居心地の悪さを感じた。
あの戦争は、私達にとっていったい何だったのか。それに対する明確な答えを持たない限りこのようなテーマは中途半端に終わるだろう。「どちらが悪いのかではない。戦争そのものの悲惨さを伝えたい」劇中でそう語っていたが、結局総花的な扱いに終わり、シベリア抑留の不当性、悲惨さだけを訴える、我が国の被害者としての面だけを強調するものに終わってしまった。
 そこにナガサキ、ヒロシマでの平和運動と同じものを感じたのだった。
被害者としての側面は当然ある。戦闘員のみならず非戦闘員まで多くの犠牲者を出した。死に至らないまでも、あの戦争で有形無形の被害を被ったのは当時の国民全てだった。
 しかし、同時にアジアを中心とした地域には加害者としての足跡を数多く残してきている。それらを冷静且つ客観的に総括しない限り、我が国の戦後は終わら(れ)ないだろう。

 次に男優陣の力量に物足りなさを感じた。

 特に、主役九重秀隆と友人の吉田は物足りない。
音感とリズム感が欠けているこの私でも、聞いていてはらはらしていたほどだから、相当重傷じゃないかな。 それとも、意図的な演出なのかな。
 それに比べ女優陣の演技は素晴らしい。主役の宋愛玲をはじめとしてみなのびのびと声が出ており楽しめる舞台を作っていた。

 全体的に感じたのは舞台装置の進歩と、俳優たちののびやかな体とダンスのテクニックのすばらしさだった。

キャッツ、オペラ座の怪人、ライオンキング等の演目だったら、こんなに捻くれず素直に楽しめたかも知れない。

ああ、やはり年か。
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by taketombow | 2006-06-11 23:30 | 雑感  

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