減らない「児童虐待」

 「児童虐待」に関心を持っている。
(以下、私がmixiの「児童虐待」コミュに投稿したものの再掲)

先月(11月)の1ヶ月間に、3つの新聞(朝日、日経、中日)と3つのオンラインニュース(yomiuri,mainichi,時事)で報道された「児童虐待」事件を集計してみた。

フォーマットは、こうだ。

年月日 虐待の種類
概要(虐待の概要)
場所(発生地 県・市)
加害(加害者 被害者との関係 年齢)
被害(被害者 加害者との関係 年齢・性別
程度(被害の程度 生死 障害の程度)

※虐待の種類は以下の記号。
 B 折檻   S 心中   N ネグレクト   H 発作的殺人   T その他

年月日は発生の日、或いは提訴の日。

2006.11.1 N
 深夜0時飲酒運転で出合い頭の交通事故。シートベルト・チャイルドシートともになし
場所 愛知県北名古屋市
加害 母親の友人男(39)
被害 男児(4)女児(3) 同乗の母(30)も死亡
程度 死亡

2006.11.1 B 東京地裁へ提訴 事件は2004.11
 担任の男性教諭に倉庫に閉じ込められた心身障害児学級に通う自閉症の男児(10)がパニック状態になり、2階の窓から5メートル下の地面に落下、大けがを負った。
場所 東京都小金井市
加害 障学担任の男性教師(年令不明)
被害 小4男児(当時)
程度 重傷

2006.11.2 S
 生後4カ月の女児の首を絞め殺害。出産後、精神的に不安定となったため。  
場所 静岡県浜松市 
加害 実母(28)
被害 女児(4カ月)
程度 死亡

2006.11.6 S
 長男(5)、2男(3)を自分の車で福山市内の山中に連れ出し、それぞれ手で首を絞めて殺害。
場所 広島県福山市
加害 実母(34)
被害 長男(5)、2男(3)
程度 死亡

2006.8.2 B
 長男を壁に立てかけた布団に数十回投げつけ、急性硬膜下血腫の重傷を負わせた。
場所 埼玉県警朝霞市
加害 実父(22)
被害 長男(生後5カ月)
程度 重傷

2006.11.8 S
 乗用車内で練炭による計5人の心中(乗用車は埼玉県大宮ナンバー)
場所 山梨県河口湖町山中の林道
加害 不明30代の男女(関係は不明)
被害 10歳以下の女児3名
程度 全員死亡

2006.11.8 B
 自宅で抱いていた長男を左右に強く揺さぶるなどして暴行し大けがをさせた。
場所 神奈川県横須賀市
加害 実父(18)
被害 長男(5ヶ月)
程度 急性硬膜下血腫 鎖骨骨折 重体

2006.11.9 S
 無理心中を図り、長女を抱いて海に入り海中に長女を沈めて殺害。自分は死にきれず。
場所 愛知県知多市
加害 実母(32)
被害 女児(2才)
程度 死亡

2006.11.10 B
 同居女性の長男に暴行を繰り返したり、食事も十分に与えなかったりした。
場所 千葉県千葉市
加害 母の同居人男性(36)
被害 男児(6才)
程度 3週間の怪我と2か月で7キロの体重減少

2006.11.11 S
 11日午前8時半ごろ、三重県四日市市千歳町の四日市港第2埠頭の岸壁から乗用車が転落した。車は約3時間後に引き揚げられ、車内から女性と男児の遺体が見つかった。
場所 三重県四日市市
加害 母(39)
被害 男児(9才)
程度 死亡

2006.11.13 B
 10月23日秋田県大仙市で4才男児が母親とその交際相手に折檻の末殺害され、用水路に放置し殺害された。
 場所 秋田県大仙市
 加害 実母(31)実母の交際相手の男(43)
 被害 男児(4才)
 程度 死亡

2006.11.14 B
 同居する女性の長男(5つ)にたばこの火を押しつてやけどを負わせた。その他身体には、やけどのあとや古いあざがあった。
 場所 茨城県常陸大宮市
 加害 同居している実母(27)の交際相手(19才の少年)
 被害 長男(5つ)
 程度 傷害(少年は児相からの告発で逮捕)  

2006.11.24 S?
  半年前に離婚し生活保護を受けていた母親が、二人の息子の首を絞めて殺害。心中?

 場所 北海道札幌市
 加害 実母(33)
 被害 長男(7才・小2)、二男(4才・保育園)
 程度 死亡

2006.11.25 B
  母親(39)と内縁の夫が男子(14)に、脚立の上で長時間正座をさせたり、首輪をつけて柱に鎖で繋いだりなどの虐待を日常的に加えた。
 場所 大阪府能勢町
 加害 母親の内縁の夫(34)、実母(39)
 被害 中2男(14)
 程度 両足に約2週間のけがと数ヶ月で5キロの体重減少

2006.11.27 B
  母親(39)と同居中の男が女性の長女(11)に約7時間にわたり殴るけるの暴行を加えた。
 場所 大阪市平野区
 加害 母親と同居中の男(23)
 被害 小5女(14)
 程度 顔と頭に1ヶ月の打撲

2006.11.27 B
 内縁の妻の連れ子の頭をまな板で殴ったり、ペンのようなものでひっかいたりして、それぞれを負わせる等の虐待した。
 自宅軒下にベニヤで囲った小屋を作り、そこに男児を住まわせていた。男児の体には複数のあざがあり、日常的に虐待行為を繰り返していた模様。
 場所 三重県熊野市
 加害 母親の内縁の夫(45)
 被害 内縁の妻の長男(9・小3)
 程度 2週間のけが

2006.11.25 B
 実母の内縁の夫が長女(5つ)の頭などを殴り、硬膜下血腫で一時意識不明の重体にさせた。

 場所 兵庫県たつの市
 加害 母親の内縁の夫(33)
 被害 長女(5)
 程度 硬膜下血腫で一時意識不明の重体だったが、手術後に意識を回復。

集計すると

虐待死
心中 6件 10人
折檻 1件  1人
ネグレクト 1件 2人
  (飲酒運転による交通事故だが、飲酒の上深夜零時幼児を同乗させての事故なのでネグレクトと類別した)

幸いにも、死にまでは至らなかったもの
折檻 8件 8人

 これで明らかになったのは「子育てに一人悩む母親」の姿と、「家庭」とは呼ぶには躊躇しそうな崩壊家庭に生きている子ども達の姿だ。
 つい先日も、生後数十日の赤子を投げつけて殺した父親の報道があった。

 児童虐待は重大な人権侵害であり犯罪だ。子どもの人権を奪い、心身に大きなダメージを与え、時には命も奪う。

 だから、厳罰に処すべきなのは当然。

しかし、それだけでは到底解決しそうにない。
子育てに絶望した母親は、これからも、親子心中の道を選択するだろうし、カッとなった若い父親は、発作的に乳児を壁に投げつけるだろう。

 何らかの実効ある子育て支援策は、無いのだろうか。

子育てストレスの軽減。
子育て悩み相談。
養育支援。
金銭的な公的支援。

これらの対策を、自治体単位で競い合うような時代は来ないのだろうか。
 来春の統一地方選挙で、そのようなことが争点の一つになると良いなあと思う。

 子どもは親を選べない。家庭を選べない。たまたまその家庭に生まれたばかりに、生後数十日で実父に投げつけられて死ぬなんて、余りにも不条理だ。

 この子の余りにも短すぎた一生は一体何だったのだろうか。

 児相が悪い、警察が悪いと指摘も大切なのだが・・・。
 私たちがもっとできること、すべきことは、ないのだろうか。

 今こうしている間も、何処かの家庭で子どもが折檻され、母親が子どもの首を絞め、乳児が壁に何度も投げつけられ、暖房もなく冷たく暗い部屋で、子ども達だけで留守番をし、寒さの余り100円ライターで新聞紙を燃やしているかも知れない。

 それらの子達を助ける方策はないのだろうか。

 「児童虐待」は「老人虐待」にも繋がる。いつも悲しい思いをするのは社会的に弱い人々なのだ。

 今、あなたの耳に、遠くから子どもの泣き叫ぶ声が、微かに聞こえてこないだろうか。
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by taketombow | 2006-12-09 22:53 | ニースに接して  

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