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警察官の矜恃

 先日無くなった作詞家、阿久悠は好きな作詞家の一人だ。
彼の詞の世界は、幅が広く、歌詞の中にドラマがあり、絵画があった。そして、美学があった。
 その阿久悠が書いた本「昭和おもちゃ箱」の中に、気になる一節があったので紹介したい。

彼の父親は、警察官だった。

全国で二十数万人いるといわれている警察官の一番下っ端の警察官で、淡路島を中心に小さな駐在所を転々として55才で警察官を終えた。でも、子どもの阿久悠氏から見ても「見事な」警察官だったという。寡黙で家族とも余り話す方では無かったが、忘れられない言葉が幾つかあるとして、紹介している。

 「その仕事仕事で、言っちゃいけない言葉がある。それを言っちゃあおしまいだよ、という禁句がある。それが”警察官だって、人間なんだ”だ。これさえ言えば楽になる、これさえ持ち出せば許されるというならば。、警察官なんてただの道具で、なんの値打ちもない」

 「やさしさと正しさでは、正しさを選ぶ。なぜならば、やさしさの埋め合わせは出来るが、正しさの修正は出来ないからだ」

 二十数万番目の、田舎の駐在さんでも、職業の資質と倫理について、この程度のことは考えていたのである。

 警察官だけではない、公務員組織はこのような倫理観を持った職員に支えられ仕事をしてきた。そして、我が国の発展を引っ張ってきた。


9月8日に入手した本

高速電力線通信のすべて 日経コミュニケーション・編 日経BP・刊 18,095+TAX円
いじめが終わるとき -基本的解決への提言 芹沢俊介・著 彩流社・刊 1,600+TAX円
裁かれた罪裁けなかった「こころ」 17才の自閉症裁判 佐藤幹夫・著 岩波書店・刊 2,400+TAX円
伝統の逆襲 日本の技が世界ブランドになる日 奥山清行・著 祥伝社・刊 1,600+TAX円
石を積む人 エドワード・ムーニー・Jr・著 杉田七恵・訳 求龍堂・刊 1,400+TAX円
自衛隊 変容のゆくえ 前田哲男・著 岩波書店・刊 740+TAX円
金・銀・銅の日本史 村上隆・著 岩波書店・刊 780+TAX円
ホワイトカラーは給料ドロボーか? 門倉貴史・著 光文社・刊 720+TAX円
日本男児 赤瀬川原平・著 文藝春秋新社・刊 730+TAX円
昭和30年代 「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち 塩田潮・著 平凡社・刊 880+TAX円

by taketombow | 2007-09-08 23:53 | 雑感  

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