子どもの頃に心躍らせた本は?

 
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 先日、「子どもの頃に心躍らせた本はどんな本ですか?」と聞かれた。

小学校の3年までは郷里の学校だった。
山の中で本屋はおろか駄菓子屋もない。戦後の混乱をまだ引きずっていて皆が「平等に貧しい」時代だった。子どもも親も毎日の生活に追われ、本など無縁の生活だった。
 
 本に触れるようになったのは、こちらに出てきてからだ。
最初に住んだ家の直ぐ隣は市内でも有数の大書店だったが、それも私を本の世界へ誘うきっかけとはならなかった。折しも創刊されたばかりの「少年マガジン」「少年サンデー」を立ち読みするだけが関の山だった。
 そんな私が本に触れることが出来たのは、公共図書館のお陰だ。都心の「栄(当時は栄町と言った)」に「栄図書館」という図書館があった。クラスの友だちに誘われて屡々そこへ通った。子どもの足で歩いて片道30分近くかかる。でも、何の苦にもならなかった。
 岩波の児童書は他の本とは少し違う。厚い布貼りでやや古いのだが誰も読まないので本は傷んでなく新しい。それらの中に時折、掘り出し物のように面白い本が混じっていた。児童図書室の一番奥の少し薄暗い片隅にそれらはいつもあった。

その頃読んだ本で今も心に残っているのは
「夢を掘りあてた人」 ヴィーゼ・著 大塚 勇三・訳
「空の王子たち」 ボードウイ・著 安東次男・訳
だ。
 「夢を掘りあてた人」はトロイの遺跡を初めて発見し発掘したシュリーマンの伝記だが、その後の考古学者の間での評判はすこぶる悪いので、自分の夢も汚されてしまった気分がしている。
 「空の王子たち」と言う本、つい数日前までは本の題名さえも忘れてしまっていて分からなかったものなのだ。それなのに、遙か数十年前に絶版になった本の実物(しかも帯付きの初版本)が、今、私の手元にある。
 子どもの頃心躍らせた大空への挑戦物語。茶色く変色したページを1ページずつ丁寧に繰りながらその頃を反芻している。

11月18日(日)に入手した本
風の王子たち ボードウイ・著 安東次男・訳 岩波書店・刊(絶版) 200円(当時)
長野県西部地震に学ぶ 木曽郡校長会・編/刊 斡旋価格1200円(当時)
ミッドナイトイーグル 高嶋哲夫・著 文藝春秋・刊 848+TAX円
なぜ日本人は劣化したか 香山リカ・著 講談社・刊 700+TAX円
ネット君臨 毎日新聞取材班・編 毎日新聞社・刊 1,400+TAX円
東海道新幹線歴史散歩 一坂太郎・著 中央公論新社・刊 1,000+TAX円
天狗はどこから来たか 杉原たく哉・著 大修館書店・刊 1,700+TAX円
ちょっと昔の道具たち 岩井宏實・著 中林啓治・イラスト 河出書房新社・刊 1,200+TAX円
平家物語図典 五味文彦/櫻井陽子・編 小学館・刊 3,800+TAX円
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by taketombow | 2007-11-18 16:14 | 私の本棚から  

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