田植えの歌

 まだ農業が我が国の基幹産業だった頃には、子どもが学ぶ歌にも季節感が鮮やかに出ていた。農業が産業としては片隅に追いやられ、国土全体の都市化が進み、生活ばかりでなく歌にも季節感が無くなってきたことが寂しい。

 私は田舎の育ちだったので、春と秋には農繁休暇があった。丁度田植えと稲刈りの時期は子どもたちも労働力として期待されていたのだ。田舎ながら我が家は農業はしていなかったので、親戚の農作業を手伝ったりした。農作業の後、縁側で大人たちとお茶を飲み、丼に山盛りとなった漬け物をつまむのが好きだった。
 大人と対等に扱われ、一時的にせよ一足飛びに大人になった気分がしたものだった。

その頃に学校で唄った歌。 一番だけ歌詞を覚えている。
ググってみたら 歌詞とメロディーが出てきた。


田植えの歌」 作詞者 井上 赳  作曲者 中山晋平

そろた 出そろた  早苗(さなえ)が そろた
植えよう 植えましょ  み国のために
米は宝(たから)だ  宝(たから)の草を
植えりゃ  黄金(こがね)の花が咲く


そろた 出そろた  植え手も そろた
植えよう 植えましょ  み国のために
ことしゃ豊(ほう)年  穂(ほ)に穂が咲いて
みちの小草(こぐさ)も  米がなる

メロディーとともに、足の裏に伝わる田の泥の感触、苗の手触り、お茶の時間への期待感が甦ってくる。
農家が、この歌のように胸を張って稲作りができる日はもう来ないのであろうか。
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by taketombow | 2008-05-07 00:36 | 雑感  

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