南アルプス(三伏峠~悪沢岳~赤石岳~椹島)
今年の夏山、後半はやはり南アだった。
南アルプス南部(特に悪沢~聖)は好きな山域だ。
しかし、この山域への入山はこれで僅かに4回目。交通機関が充実しアプローチが容易になったとは言うものの、あくまでもそれは昔と比べてのこと。それ程南の山は奥深い。
意識したのは、公共交通機関を利用すること。自動車はガソリン代高騰もさることながら、駐車した地点へ戻らざるを得ず、縦走の山行ができない。登山計画の自由度が制限されるので嫌だ。
第一日 名古屋から中央道の名鉄高速バス、松川ICで大鹿村村営バスに乗り継いで豊倉林道登山口。そこから三伏峠小屋。 歩行時間は2.5時間
第二日 三伏峠から、烏帽子岳、小河内岳、板屋岳、荒川前岳、荒川中岳、悪沢岳を経て中武避難小屋。 歩行時間は8時間
第三日 中岳避難小屋から荒川小屋、大聖寺平、小赤石岳、赤石岳、百間平を経て赤石小屋。 歩行時間は9時間
第四日 赤石小屋から東尾根を経て椹島。椹島からリムジンバス、大井川鉄道、東海道線、新幹線をへて名古屋。 歩行時間は3時間
2日目の朝、烏帽子岳付近で夜明けを迎えた。
(全てSHARPの携帯電話SH902iで撮ったもの。画像をクリックすれば拡大される。)
甲斐駒摩利支天のドームが見える。その左は仙丈岳。
東の空には、雲の上から富士が顔を出す。日が高くなると雲の間に隠れてしまう。多くの場合、朝の一時にだけ見られる貴重な光景だ。
遠くに小さく、大沢岳が見える。その隣が中盛丸山、そして百間平が見える。兎岳は手前の山の影で見えない。
中央の朝日が当たっている山が小河内岳。山頂左の部分にはっきりと避難小屋の屋根が見える。
小河内岳避難小屋と別棟のトイレがはっきり見える。大沢岳、中盛丸山は山頂の左に顔を出している。 高山裏露営地近くの登山道脇に咲いていた、タカネオダマキ。清楚という言葉がよく似合う。
赤石岳カールのキバナシャクナゲ。名は「キバナ」だが、花の色は明らかに白い。
赤石小屋の朝。
悪沢カールを隔てて、千枚岳、悪沢岳のパノラマが展開する。右から、千枚岳、真ん中の最も大きい山が荒川東(悪沢)岳、荒川中岳。荒川前岳は見えていない。
反対側には赤石、兎、聖の堂々たる山体が我々を見下ろす。
右側の大きな山体は赤石岳の支尾根のピーク。赤石岳山頂は、その横に少し顔を見せているだけだ。その横の小さな白い丸は「名残の月」。左下遠方の見事なピラミッドが、兎岳。
兎岳のピークの更に左遠方に、聖岳が見える。ほんの僅かな時間しか経っていないのに、もう山の色が違う。
※ 南アルプス南部 入山に際しての若干の注意事項
1 トイレ
東海フォレスト管理の山小屋はそれなりに管理されているが、それ以外ではある程度の覚悟が必要。
2 生ビール
椹島にのみ生ビールサーバーがあるだけ。他は缶ビールのみ。小屋によっては「缶ビール」ならぬ「燗ビール」になっていることもあるので、購入前に確認を。
3 大鹿村村営登山バス
松川インターのバス停が分かり難い。高速道路の料金ゲートの外側にある。高速バスで来た場合は、高速のバス停を降りてから、無料駐車場を横切って少し(数分程度)歩く。
4 椹島への公共交通機関はない。
しずてつジャストラインの定期バスは廃止になったし、夏期のみ臨時運行予定だった直通バスも、崖崩れのため運行を中止している。登山者用駐車場から徒歩1時間の「白樺荘」までコミュニティバスが運行されているが、8人乗りの1BOXカーのため静岡市役所交通政策課は「登山者は利用しないで欲しい」と言っている。
また、最も近いタクシー会社は井川タクシー営業所だが、タクシーは3台しか保有していないため、入山前に予約しておかない限り当てにできない。今回も下山直後の午前8時過ぎに電話したのだが、早くても午後3時半過ぎにしか車が空かないとのことだった。
畑薙第一ダム堰堤下から約22キロの道路を、大井川鉄道井川駅まで歩くところだったが、神奈川県へ帰る登山者の車に便乗させていただくことができ、事なきを得た。
これは、そのタクシー会社へ電話するのに用いたテレホンカード。
南ア南部は殆どがケータイ電話のエリア外。荒川避難小屋二階の一部分でのみMOVAが通話可能となるだけ。椹島にはDoCoMoの衛星公衆電話が設置されている。テレホンカードしか使えない。東海フォレストの事務所で売っている。1回の通話で、500円のテレカの300円分程度を使う。事前に準備するなら1000円分のカードがあると安心だ。
今週の読書ノート(~8月24日)
医療格差の時代 米山公啓・著 筑摩書房・刊 680+TAX円
私塾のすすめ -ここから創造が生まれる 齋藤孝/梅田望夫・著 ちくま書房・刊 680+TAX円
家族「外」家族 こどものSOSを診る医師たち 椎名篤子・著 集英社・刊 1,300+TAX円
子どもが育つ条件 -家族心理学から考える 柏木惠子・著 岩波書店・刊 740+TAX円
日本語プログラム言語 なでしこ 公式バイブル クジラ飛行船・著 ソシム・刊 3,400+TAX円
脱百名山登山学 石井光造・著 白山書房・刊 1,800+TAX円
花はふしぎ なぜ自然界に青いバラは存在しないのか? 岩科司・著 講談社・刊 940+TAX円
化学トリック=だまされまいぞ! 化学推理クイズ 山崎昶・著 講談社・刊 800+TAX円
ずっと知りたかった 飛行機の事情 お天気とのビミョーな関係 稲葉弘樹・著 東京堂出版・刊 1,600+TAX円
増補 豪華客船の文化史 野間恒・著 NTT出版・刊 3,200+TAX円
世界のLRT 環境都市に復権した次世代交通 三浦幹男/服部重敬・著 2,100+TAX円
さらばブルートレイン! 昭和鉄道紀行 芦原伸・著 講談社・刊 1,800+TAX円
世界一高い木 リチャード・プレストン・著 度会圭子・訳 日経BP社・刊 2,400+TAX円
10代をよりよく生きる読書案内 こやま峰子・編/著 東京書籍・刊 1,400+TAX円
クラスルーム 折原一・著 理論社・刊 1,600+TAX円
トロール・フェル 上 金のコブレットのゆくえ キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,300+TAX円
トロール・フェル 下 地底王国への扉 キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,300+TAX円
トロール・ミル 上 不気味な警告 キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,300+TAX円
トロール・ミル 下 ふたたび地底王国へ キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,300+TAX円
トロール・ブラッド 上 呪われた船 キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,700+TAX円
トロール・ブラッド 下 長い旅路の果て キャサリン・ラングリッシュ・著 金原瑞人/杉田七恵・訳 あかね書房・刊 1,700+TAX円
南アルプス南部(特に悪沢~聖)は好きな山域だ。
しかし、この山域への入山はこれで僅かに4回目。交通機関が充実しアプローチが容易になったとは言うものの、あくまでもそれは昔と比べてのこと。それ程南の山は奥深い。
意識したのは、公共交通機関を利用すること。自動車はガソリン代高騰もさることながら、駐車した地点へ戻らざるを得ず、縦走の山行ができない。登山計画の自由度が制限されるので嫌だ。
第一日 名古屋から中央道の名鉄高速バス、松川ICで大鹿村村営バスに乗り継いで豊倉林道登山口。そこから三伏峠小屋。 歩行時間は2.5時間
第二日 三伏峠から、烏帽子岳、小河内岳、板屋岳、荒川前岳、荒川中岳、悪沢岳を経て中武避難小屋。 歩行時間は8時間
第三日 中岳避難小屋から荒川小屋、大聖寺平、小赤石岳、赤石岳、百間平を経て赤石小屋。 歩行時間は9時間
第四日 赤石小屋から東尾根を経て椹島。椹島からリムジンバス、大井川鉄道、東海道線、新幹線をへて名古屋。 歩行時間は3時間
2日目の朝、烏帽子岳付近で夜明けを迎えた。
(全てSHARPの携帯電話SH902iで撮ったもの。画像をクリックすれば拡大される。)
甲斐駒摩利支天のドームが見える。その左は仙丈岳。
遠くに小さく、大沢岳が見える。その隣が中盛丸山、そして百間平が見える。兎岳は手前の山の影で見えない。
中央の朝日が当たっている山が小河内岳。山頂左の部分にはっきりと避難小屋の屋根が見える。
小河内岳避難小屋と別棟のトイレがはっきり見える。大沢岳、中盛丸山は山頂の左に顔を出している。
赤石小屋の朝。
反対側には赤石、兎、聖の堂々たる山体が我々を見下ろす。
右側の大きな山体は赤石岳の支尾根のピーク。赤石岳山頂は、その横に少し顔を見せているだけだ。その横の小さな白い丸は「名残の月」。左下遠方の見事なピラミッドが、兎岳。
※ 南アルプス南部 入山に際しての若干の注意事項
1 トイレ
東海フォレスト管理の山小屋はそれなりに管理されているが、それ以外ではある程度の覚悟が必要。
2 生ビール
椹島にのみ生ビールサーバーがあるだけ。他は缶ビールのみ。小屋によっては「缶ビール」ならぬ「燗ビール」になっていることもあるので、購入前に確認を。
3 大鹿村村営登山バス
松川インターのバス停が分かり難い。高速道路の料金ゲートの外側にある。高速バスで来た場合は、高速のバス停を降りてから、無料駐車場を横切って少し(数分程度)歩く。
4 椹島への公共交通機関はない。
しずてつジャストラインの定期バスは廃止になったし、夏期のみ臨時運行予定だった直通バスも、崖崩れのため運行を中止している。登山者用駐車場から徒歩1時間の「白樺荘」までコミュニティバスが運行されているが、8人乗りの1BOXカーのため静岡市役所交通政策課は「登山者は利用しないで欲しい」と言っている。
また、最も近いタクシー会社は井川タクシー営業所だが、タクシーは3台しか保有していないため、入山前に予約しておかない限り当てにできない。今回も下山直後の午前8時過ぎに電話したのだが、早くても午後3時半過ぎにしか車が空かないとのことだった。
畑薙第一ダム堰堤下から約22キロの道路を、大井川鉄道井川駅まで歩くところだったが、神奈川県へ帰る登山者の車に便乗させていただくことができ、事なきを得た。
これは、そのタクシー会社へ電話するのに用いたテレホンカード。
南ア南部は殆どがケータイ電話のエリア外。荒川避難小屋二階の一部分でのみMOVAが通話可能となるだけ。椹島にはDoCoMoの衛星公衆電話が設置されている。テレホンカードしか使えない。東海フォレストの事務所で売っている。1回の通話で、500円のテレカの300円分程度を使う。事前に準備するなら1000円分のカードがあると安心だ。
今週の読書ノート(~8月24日)
医療格差の時代 米山公啓・著 筑摩書房・刊 680+TAX円
私塾のすすめ -ここから創造が生まれる 齋藤孝/梅田望夫・著 ちくま書房・刊 680+TAX円
家族「外」家族 こどものSOSを診る医師たち 椎名篤子・著 集英社・刊 1,300+TAX円
世界一高い木 リチャード・プレストン・著 度会圭子・訳 日経BP社・刊 2,400+TAX円
by taketombow | 2008-08-22 22:15 | 私の山歩き