「まま子」という歌

実に懐かしい曲を聞いた。

まま子 藤原 洪太 作詞・作曲

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煙にくすむ 夕日が落ちてから
油に汚れた身体に 着ける制服

とても疲れて重たく 見上げる先生の
力のこもったその手には 愛の白墨

いつまでたっても 僕らの世界は
日本の歴史に生まれた まま子の世界なの
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60年代。反戦フォーク、プロテストソングが流行していた時代。
折しも高度成長期の真っ直中。田中角栄の「日本列島改造論」が日本中を麻酔にかけていたときの歌だ。曲名が「差別用語」ということで放送コードに引っかかったのか、テレビやラジオには流れることはなかった。各地のフォークソング集会、学園祭、野外コンサート(その頃"ライブ"と言う言葉はなかった)で聞いた。

 家計を助けるために昼は工場で働くため、学びたくても学ず、義務教育である筈の中学でさえ行けない子ども達。彼らのために大阪の教師達が手弁当で始めた夜間中学。その中で必死に学び懸命に教える、生徒と教師。

それを「法の枠外だから」という理由で廃止する動きに抗い作られた歌と聞く。
その後、夜間中学は全国の大都市に拡がっていった。そしてそこで学ぶのも、学齢期の中学生から、就学を逸した大人へと次第に年齢層が高くなり、現在では在日外国人へと変化してきている。

この歌の時代から半世紀経ち、全ての人が豊かになった(筈の)現在。

「生活を維持する経済力がある」と生活保護を打ち切られた老人が餓死し、ギャンブルや旅行に使う金はあっても公租公課を支払う金は無い家庭が出現し、学びたくないのに登校して授業妨害を繰り返す児童生徒が現れている。

この年月の間に私たちの中で何が変わったのだろうか。
この深刻なメッセージとは裏腹の美しい旋律に触れ、考え込んでしまう。

何時のことだったか忘れたが、ジローズの演奏で(「ジローズ登場~戦争を知らない子供たち」)聴いたことがある。高田恭子も歌っていたそうだ。ネットで探していたのだが、思わぬところで見つかった。「シマッツ」というアマチュアのデュオがネット(YAMAHAが運営するMySound [マイサウンド])で公開している。(アクセスには会員登録[無料]が必要)
http://players.music-eclub.com/?action=user_song_detail&song_id=81349
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by taketombow | 2008-09-25 22:53 | 雑感  

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