多分、穴埋めのニュースだとおもうが・・・「性犯罪者にGPS」 

今朝の中日新聞に次のニュースが載っていた。

他紙はもちろんのこと、どのTVラジオでも報じていないので、空いた紙面の穴埋め用のニュースだと思う。特に新しい動きがあった訳ではないだろう。自民党の動きは5月にあったものだ。法務省は否定していないので「検討している」と言う点では、勿論ガセではない。

私は悲惨な性犯罪の被害者を無くすという文脈からこの動きに反対ではない。しかし、費用対効果、人権対効果の点で疑義をもっている。

1.再犯率の点では、単純窃盗、粗暴犯の方が圧倒的に高いと思われるが、それらを放置しこれのみに焦点を当てるのはなぜか。
2.性犯罪は嗜好的、病的な側面をもっているので、再発防止のためには矯正教育、精神的治療が効果を持つと思われる。これらを十分やっもなお再犯率が高いのか。
3.性犯罪の加害者で圧倒的に多いのは、同居している親族(実父、実兄、義父、義兄等)、近しい親戚、知人であり、次いで多いのが子どもたちと接することの多い、学校や施設の教職員、警察官等である。これらに対する視点が抜けていないか。

性犯罪者にGPS 出所時同意で装着、法務省検討
2008年12月28日 朝刊

 法務省は、性犯罪受刑者が出所した後の居場所を把握するため、衛星利用測位システム(GPS)端末を同意の上で装着させることを検討している。GPSを活用した犯罪の再発防止策が欧米などで広がっていることを背景に、日本でも実施の可能性が出てきた。
 出所者の同意を得るとはいえ、GPSを使った防止策は人権やプライバシー侵害として反対の声は根強く、議論を呼びそうだ。
 日本では、2004年に奈良市で発生した小1女児誘拐殺人事件を機に性犯罪者対策を強化。法務省は翌年6月から、13歳未満に対する性犯罪受刑者の出所予定日や居住予定地などの情報を、警察庁に提供するようになった。
 各警察署が所在を確認するものの、行方が分からなくなるケースもあった。
 法制審議会の部会などで問題提起され、今年4月にGPS活用の検討を自民党の特別委員会が提言した。
 英国や米国では、性犯罪の前歴のある人の住所や顔写真などを提供。米フロリダ州では拘禁刑終了後も生涯、GPS端末装着を義務付ける法律が制定され、他の州に広がっている。
 韓国では今年9月、たびたび性犯罪を繰り返す受刑者の仮釈放後や出所後、居場所や行動を電波で24時間把握する「電子足輪」の運用が始まっている。装着期間は最大10年。
 日本の場合、性犯罪の中で強姦(ごうかん)の認知件数は2000年以降、2000件から2500件の間で推移。06年からは2000件を下回り、再犯率は傷害や詐欺などに比べ低いが、被害者が届けないために統計に表れないケースも多いとみられる。



「性犯罪」とくに子どもへのそれを「子どもへの性的虐待」という視点で論じたのが次の本。
子どもへの性的虐待 森田ゆり・著 岩波書店・刊 740+TAX円

1998年の調査によると、18才未満の女子の39.4%、男子の10%、13才未満の女子の15.6%、男子の5.7%が性的な被害を受けている。
 性的な虐待は実はたいへん頻繁におきている。しかし、多くは外傷が無いため第三者からは発見されにくく、被害者とその家族の多くは沈黙を守る。更に加害者が非常に近い肉親である場合も少なくない。だから表面化することが希なだけだ。
 こどもに性的虐待をしても「いたずら」として軽く扱い、pedophile(ペドファイル)を「小児性虐待偏執者」と訳さず「小児性愛者」と訳してしまう程度の感性しか無い国だから、止むを得ないことかも知れない。
 彼ら偏執者には「愛」や「性愛」のかけらはこれっぽちもないのにだ。
 アメリカでは1992年から2005年までの間に50%以上減少したという。予防教育の徹底、防止介入システムの強化、司法制度の充実が功を奏してきたからだという。
 本書は性的虐待がどれほど社会に深刻な影響を与えているかを解説すると共に、国、地方自治体、民間、個人レベルで何ができるか、今我が国が必要としている取り組みは何かを説いている。
 事態を改善し子どもたちを救うためには、まず事実を知ることが大切だ。事実を直視し少しずつでも良いから動きだすべきだろう。
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by taketombow | 2008-12-28 11:17 | ニースに接して  

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