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「子どもの命を守る」という視点で考える。

千葉・松戸の3児死亡火災

 典型的な「児童虐待"ネグレクト"」だ。

母親の責任は免れないし、許すべきだと主張する気もない。それなりの責めを負い、罪を償うべきと思う。しかし、あちこちから聞こえてくる、感情的な”厳罰論”と私は一線を画したい。

それは、次の二つの理由からだ。

1 「たとえ厳罰化したとしても、この種の"犯罪"は減らない」
2 「子育ての責任を"母親だけ"に負わせるのはおかしい」

 「子どもを放置したまま、男友達と長時間パチンコに耽るなんて、母親の資格は無い」
と、事件後に批判するのは容易だ。
 しかし、その資格のない母親が危険な子育てをしている「ハイリスク家庭」を放置してきたのは、他でもない、私たちの社会なのだ。

 長男が4才、一番下の子が6ヶ月、母親は23才ということは、19才で最初の子を出産し半年前に一番下の子を産んだばかりだ。
 同世代の約半分が大学へ行く時代。同い年の若者達が親の臑を囓り学生生活を謳歌しているとき、彼女は3回の出産とその子育てに明け暮れていた。身体だけ大人になり、心は子どものままだった彼女が、「遊びたい、気晴らしをしたい」という気持ちになったとしても別に不思議ではない。多くの母親は、その気持ちを抑え、子育てに当たる。

しかし、残念なことに彼女にはそれができなかった。

 このような「子が子を産み、子を育てる」世帯は少しずつ増えていくだろう。
「子どもの命を守る」という視点に立てば、そのような世帯への「子育て支援」しかないだろう。「母親はかくあるべきだ」などといったお説教よりも、仕事以外の都合でも無料または格安で子どもを預けられる制度が有れば、この子達の命は失われずに済んだかも知れない。または、パチンコ店等の子を持つ母親が出入りする施設には、託児所の併設を義務づけるのも効果的かも知れない。

 母親教育は、それらの施策の合間にすれば良いのだ。

「子が子を産み、子を育てる」事を批判し、母親を糾弾しても、多分このような悲劇は無くならないだろう。「子が子を産み、子を育てる」世帯を、私たちがどのようにして支援していくかが問われている。

 また、女性だけでは子は生まれない。必ず父親が居る。なぜ母親だけが自分の好きなことを我慢し、子育てに苦労し、このような事件で責められなければならないのだろうか。これらの父親は、子を母親に押しつけて、何をしていたのだろうか。父親が一人であろうが複数であろうが、婚姻関係に有ろうが無かろうが、それぞれの子の父親(生物学的な)には(法的な)父親としての責務を果たす義務があるはずだ。その法的整備も必要だ。

 悲しいことに、社会通念として私たちの多くがが持っている「母親像」「父親像」は、全ての「母親」「父親」が持っているとは限らない。社会的な「母親」「父親」になるには、それなりの努力と覚悟が居るが、生物学的な「母親」「父親」になることなら犬や猫にもできるからだ。
 それらの「母親」「父親」を社会的な「母親」「父親」に育てていくのも、社会の役割なのだ。
 子ども達の命を守るために。


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Excite エキサイト : 社会ニュース 母親「パチンコに行っていた」 千葉・松戸の3児死亡火災

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母親がパチンコ行ってる間に火事が起きたことを伝える意味と批判する意味
パチンコ好きの母親 千葉・松戸の3児死亡火災 パチンコは悪
まさかとは思ったばってん・・・
信じられへんわぁ~
3児死ほったらかし
テレビCMを見て行きたくなった、と言ってくれ・・・。
そりゃ、言えなかったでしょうね
子供が子供を産んだ結果

by taketombow | 2009-01-09 23:07 | ニースに接して  

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