本当に「今の若者は悪い!」のか

「少年犯罪が急増している。」
「少年犯罪の手口が凶悪化している。」
「今の若者はなにを考えているのか分からない。」
「不気味だ。」

この文脈から、少年法が改正され、厳罰化された。
私は、法を犯した少年達に対する厳罰化について、積極的には賛成しないが、絶対反対という立場はとらない。
大人でも子どもでも法は法。大人と同様な残虐な犯罪を故意に犯したとしたら、大人と同じ罰を受けるべきだ。「子どもだから」ということで全てが許されべきでは無い。

しかし、この少年法改正への一連の動きが、何のポリシーもなく、ただ

少年犯罪間増加、凶悪化 → 社会不安

という、感覚的なものだけで為されたものだとしたら、これは大きな間違いだ。次のデータを見ていただきたい。
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関西福祉科学大学教授、松宮満さんの論文

「青少年問題におけるステレオタイプ -「少年非行の凶悪化」をめぐって-」

で氏がまとめ上げたデータだ。少年犯罪は増えていなかったのだ。増えるどころか、団塊の世代の少年時代をピークに増えるどころか減少していたのだ。青少年人口の減少を考慮しても、その傾向は変わらない。

ではなぜ、私たちはかくも急増、凶悪化の不安に駆られるようになっているのだろうか。
その答えは、ここにあった。
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これは早稲田大学大学院の牧野智和氏が
「少年犯罪報道に見る『不安』 -「朝日新聞」報道を例にして-」
(「教育社会学研究 第78集」日本教育社会学会編 P129~P146)
で示したもの。
中心はマスコミの報道にあったのだ。確かに、
「最近安全になった」
「心配しなくても良い」

では、新聞は売れず、テレビも見られない。しかし、

「治安が悪化した」
「いつ自分が被害者になるか分からない。」
「我が子が加害者になるかも知れない」

とあれば、心配になり少しでも情報を集めようとして、新聞は読み、テレビも点ける。「安心だ」では儲からないが「不安」では多くのビジネスチャンスがある。

私たちはウマウマとそれに乗せられてしまったのだ。そしてその最大の被害者は??
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by taketombow | 2009-03-27 23:30 | 私の本棚から  

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