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顔立ちから子どもを知る―ルイ・コルマンの相貌発達心理学

d0054692_14563094.jpgL.コルマン (著), 須賀 恭子 訳
ISBN:4762824445 北大路書房 刊
定価 2,625 (2500+TAX)円

 「人間は40歳をこすと誰でも自分自身の顔に責任を持たねばならない(元アメリカ大統領 リンカーン)」
 「顔には人生が表れる(NHKメークアップアーティスト岡野宏)」
 「人となりは顔立ちに表れる」と言う。また、「外見だけで人を判断してはいけない」とも言う。
 コルマンは心身は同一の生命力に発すると考え相貌心理学を発達させた。理論化された8種の気質類類型に身体や顔立ちの形態的類型が対応するのは当然だと。

数多くの子どもたちと接する機会の多い、教育・福祉関係者、カウンセラー、心理臨床研究者にとって参考になるかも知れない。
 しかし、ここに上げられたのは欧米系の顔立ちについてである。日本人の顔立ちとは微妙な相違がある。この点は今後も比較研究の継続が必要だろう。
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by taketombow | 2005-08-31 15:56 | 私の本棚から  

朝日の捏造記事

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 またか、という印象。
 他の新聞社はチームワークで取材し記事を作り上げる印象が強い、それと比べると朝日は職人技という感じ、ルポルタージュなどは深く切り込んだ読み応えのある記事が多かった。それだけに、内部のチェック機能が働かなかったのだろう。
 しかし、捏造が多すぎる。これでは、他の記事への信頼も揺らぐ。珊瑚落書き事件もまだ、記憶に新しい。
 私は、何の根拠ももっていないが、自民党のNHKへの圧力報道も捏造だと思っている。もちろん、(NHKへ)何らかの見えない形で圧力はかけているだろう。また、それを敏感に感じる組織だ。しかし、朝日の報道にあるように、阿部、中川両氏があのような露骨なことをするほど愚かとは思えない。だから、朝日にあるような事実は無かっただろうと考えるのだ。
 今日の朝日第一面には「社内に委員会 紙面で報告します」とある。できれば、この委員会の報告も捏造にならないことを祈っている。
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by taketombow | 2005-08-31 12:31 | ニースに接して  

教育不信と教育依存の時代

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価格:¥ 1,575(税込)
広田 照幸 著
ISBN:4314009802 紀伊国屋書店 刊
定価 1,575(1500+TAX)円

興味深いタイトルなので、つい手に取った。著者は東大大学院の教授。教育社会学が専攻。
まず、題名に共感、「うん、そうだそうだ」と頷いてしまう。

 今ほど、教育、教育システム、学校、教員、教育基本法・・・等々を「だめだ、だめだ」の大合唱で包囲し批判している時代はあっただろうか。

そんなにだめなら、違うシステムを作ればいい。学校教育に依存しなければよい。なのに、それもしない。ただ批判し過大な要求をするだけ。挨拶をしないのも、食べ物に好き嫌いがあるのも、生活のリズムが狂っているのも、中学生がたばこを吸うのも、箸が上手に使えないのも学校が悪い。

 「もっと、道徳教育の充実を」

ごもっともだ。家庭でできないのなら学校教育が担うしかない。しかし、本当にそれで良いのだろうか。また、やってもなかなか目に見える効果がでないのはご承知の通りだ。
 でも、考えて欲しい。個人の倫理観まで学校教育で教え込み、それが非常に効果的だったとしたら、それこそ、恐ろしい社会になりはしないだろうか。
 教育は、それををコントロールする為政者の思うままになる。一昔前、全体主義国家の一部は、幼児期から国家が子どもたちを教育した。そして、子が親を密告したりする事例が有ったという。文化大革命の頃隣の国では盛んにそれが行われたことは、記憶に新しい。今でも、日本人の拉致で問題となったあの国などは、そうなのかも知れない。
 今のままの教育制度ががベストとは思わない。しかし、倫理観、道徳観は親が自分の行動を通して教えたいものだ。
 国家の役割は、その積極的なサポートに徹するべきだとだと思う。

本書の内容の抜粋(私なりの理解で)は次の通りだ。

まず、現状認識から疑問を呈している。
メディアの言う「教育の荒廃」は真実かという点だ。
殺人の年齢別構成比、年齢別窃盗犯検挙数、粗暴犯検挙数のどれをとっても、数は減っている。その殆どは減ってきている。ことに粗暴犯などは、1960年代の4割弱になっている。つまり、最近の「学校の荒れ」は、青少年の問題というよりも、極端な事例や深刻な事例がマスコミでクローズアップして取り上げられる時代になったことの結果だという。
 報道されるほど荒廃しているわけではない。しかし、それらの極端な事例を取り上げ、現状を批判し対応を要求する。それらを教育界が受け容れることにより、学校、児童生徒、社会それぞれが身動き出来ない状態になっている。

最近の教育批判は自分のもっている理想と比較して批判している。理想と比べればどのような現実でも批判の対象としてしか見えない。また一方では教育への過度な依存がある。
教育批判に対する現代特有の3つの問題
・教育の量的な不足から別の問題(時には全否定)への変質
・政治的構図の不明確化
 ポジティブな部分を評価する勢力がなくなり、「袋叩き状態」になった。
・「ミクロ的な問題」の専門家が増え、批判構図に影響を
我々が為すべきこと
・「教育で成し得ること」の不完全性を了解する。
・「教育をよくする」とは<理想=善>と<現実=悪>との戦いにしない。
・「リアルで等身大の教育像」から出発し過度な不信と依存を振り払い考えていく必要がある。

 この本の論理展開は、同じ著者の「日本人のしつけは衰退したか」(講談社現代新書)と同じだ。しかし、日常的に子どもたちと接している関係者で、子どもや保護者の変化、家庭や地域の教育力の低下を実感し危機意識を持たない人は極めて少数だろう。それらの人へのデータと実感とのずれへの説得力には、やや物足りない面がある。また、「家庭」が従来の教育機能を持たない事例が増え始めてきている今、学校が「過度な依存」を振り払うことは現実問題としてできるのかという懸念が残る。

ぜひ、ご自分で読まれると良い。
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by taketombow | 2005-08-29 21:50 | 私の本棚から  

どういう人生だったのか

福田和子受刑者が死亡 ホステス殺し逃亡15年 | Excite エキサイト : ニュース
この人の人生は

26日の新聞で、病で亡くなったことを知った。転落、不幸、自己破滅を文字通り地で生きた哀れな人だったと思う。
 だめな男に出会わなかったら、全く別の人生を歩めたかも知れない。もっとも哀れだったのは、拘置所に収監中に看守の手引きで、暴力団員に強姦されたことだ。絶対に有ってはならないことの被害者になったからと言って、再度人を殺めたことの理由にはならないが、死亡記事にも一言その記述が欲しかった。
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by taketombow | 2005-08-27 11:44 | ニースに接して  

科学で見なおす体にいい水・おいしい水

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岡崎 稔, 鈴木 宏明 著
ISBN:4765544427 技報堂出版 刊
定価 1,890(1800+TAX)円


 水を巡るインチキくさい話はいくつでもある。また,それらインチキ臭い商品の提灯持ち的な書物も数多く発行されている。
 この本は、浄水場等の浄水プラントを設計している技術者が、それらの議論から距離を置き,中立的、科学的な立場で記述しようとしている。
 考えてみれば、水のクラスターが違うとか,波動が込められているとか分子構造が違うとか,訳の分からん効能を並べるだけで,一つ数十万円もする浄水器や整水器が飛ぶように売れるご時世だから、このような本も必要だと思う。
 ふだん,毎日飲んでいる水道水を見直すきっかけになる。 私は水道水を不味いと思ったことはない。
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by taketombow | 2005-08-27 11:24 | 私の本棚から  

絵手紙 うまれてきてよかった

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河合 美佐, 島田 一恵 著
ISBN:4806804487 柘植書房新社 刊
定価 1,575(1500+TAX)円

 私が購読している中日新聞の日曜版には、毎週絵手紙の欄がある。絵手紙の魅力は、短く気の効いたコメントと素朴な絵との組み合わせにあるのだろう。
 この本は、それぞれ「心臓弁膜症」「多発性硬化症」という難病を抱えた二人が互いに励まし合う為に交換した絵手紙を一冊の本にしたもの。病状の急変、悪化そして回復。自分の身体の変化に一喜一憂しながらも努めて明るく前向きに生きていく姿に命の輝きを見るようで共感を覚える。おふたりとも、この絵手紙がきっかけで症状は良い方向に向かっているとか。
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by taketombow | 2005-08-27 11:04 | 私の本棚から  

特別支援教育のためのアスペルガー症候群の医学

d0054692_9575073.jpg榊原 洋一 著
ISBN:4054027911 学研 刊
定価 1,680(1600+TAX)円


アスペルガー症候群を説明するのに著者はうまいたとえをしている。仕事のために一心に励んでいることを「勤勉」とは言うが,馬券を買うために競馬情報誌をいくつか集めて馬の特性を調べ吟味することを勤勉とは言わない。アスペルガー症候群の子どもたちはこの区別がつかないのではないかと。DSM-Ⅳ等の判断基準や様々な解説がなされているが,本書の特徴は具体的な症例をもとに子どもたちの心の中をできるだけ分かり易くに説明している点にある。また,DSM-Ⅳに加えてギルバーグの診断基準も示しているので判断の参考になるだろう。
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by taketombow | 2005-08-27 10:00 | 私の本棚から  

螢坂

d0054692_9481461.jpg北森 鴻 著
ISBN:406212579X 講談社 刊
定価 1,680(1600+TAX)円


三軒茶屋にある不思議な何気なく入った不思議なビアバー香奈里屋。その店主工藤が時を超えた不意気世界へといざなう。香奈里屋の主人と、常連客が織りなす様々な人生模様をオムニバス形式で書きつづる。随所に出てくるおいしそうな料理と飲み物の描写も魅力的だ。 表題作はその第一話 スランプから逃れるべく中東の戦場へ赴いたカメラマンの有坂。出発前に恋人の奈津美が案内してくれた蛍坂には、小さな光がはかなげな光っていた。なくした若き日々、哀切を込めて振り返る小品。
 「失ったものは帰ってこない」
この分かり切ったことを、私はたちは何度と無く繰り返してしまい、後から悔やむ。
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by taketombow | 2005-08-27 09:49 | 私の本棚から  

駒大苫小牧高暴力事件

Excite エキサイト : 社会ニュース
駒大苫小牧が不祥事らしい

思うこと

・どんなことがあっても、暴力は正当化されないこと。
  (これには身体には直接触れない暴力、言葉による暴言、無視、差別等も含む)
・「駒大苫小牧高」という特殊性
 野球留学もある高校ならば、部活動における体罰も日常茶飯事だろうし、それを承知で入学してきているはず。多分今回が初めてではないだろう。なのに、なぜ今回だけ露見したのか。しかも、なぜ、3年生なのか。 
彼らはベンチに入っていたのか、レギュラーだったのか。彼らがレギュラーになっていたら、今回のことは露見しなかったのか。
・「足を踏んでいる奴には、踏まれた痛みは分からない」
 叩かれた生徒は、実際よりも痛く、数も多く感じるし、叩いた教師は自分を弁護するために、実際よりも程度を軽く、数も少なめに申告する。
・優勝をどうするのか。
 このままだったら、「隠し得」になる。正直に(勿論進んでではなくやむを得ずだっただろうが)申告した高知の高校(校名は忘れた)が馬鹿を見る。
・「駒大苫小牧高」が辞退していれば、決勝戦の組み合わせは、全く違っていたかも知れない。
・「優勝校なし」とするのが、理にかなった選択かもしれない。
・新聞にあった「殴られた理由は3杯おかわりをしなかったから」が本当だとしたら、これが叱る理由になり得るか。他に背景はないのか。これだけで叱ったとしたら、その教師の精神は大人になりきっているのか。

追加

「通りがかり」さんからのコメントによると

「3杯おかわりしなかったから」ではなく、「食べ残したご飯をこっそり他の人もまだ食べるおひつに戻した」から怒ったのであって、このことはとっくの昔に正当化されている(暴力はともかくとして)。

とのことだ。私はまだ確認していないが。
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by taketombow | 2005-08-25 22:15 | ニースに接して  

コミュニケーション障害入門

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エレナ・プラント他 著 石坂 郁代 他 訳
ISBN:4469212997 大修館書店・刊
定価(2800+TAX) 円



 書名から、自閉症、ADHD等の情緒障害のことを扱うものと思い手に取った。
しかし、本書で扱うのは、そのような狭い領域だけではなかった。
コミュニケーション障害には、聴覚に原因がある「聞こえ」の障害、言語能力そのものの「言語」障害、頭の中では言語が構成されているにもかかわらず、発することが出来ない「発話」障害等がある。本書ではこれらを概括的に扱っており、将来言語聴覚士を目指す人は勿論のこと、言語に障害をもつ子どもに接する教師、保護者にとって良いテキストとなる。
 構音、音声、流暢性、言語、聴覚とそれれぞれの障害に関して児童と成人とに分けて、原因、診断、治療法に触れている。
 これだけ豊富な内容が、実に分かりやすく整理され解説されている。
 さらっと読み終わると言うよりは、一度目を通した後、手元に置き、症例に直面したとき再び調べるという使い方が出来るだろう。
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by taketombow | 2005-08-25 17:09 | 私の本棚から