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エスカレーターを歩いていけないのはなぜ?

先日の地下鉄エスカレーター事故で怪我人が出たのをきっかけに、エスカレータを歩くことの是非が巷の話題となった。もちろん、「地下鉄のエスカレーターはあるくべきでない」という意見が大勢だ。メーカーはエスカレーターを歩くように設計していないし、「歩かないように」との表示もある。

 しかし、これらはあくまでもメーカー、管理者側の論理である。

 利用者の立場に立ったとき果たしてそれでよいのだろうか。エスカレーターは動く階段。階段は歩くものだ。通勤時、特に朝は、時間が惜しい。動く電車の中ででも走り出したいくらいだ。エスカレーターを歩き、少しでも早く前へと進みたくなるのはごく自然な心理である。
 歩くのが危険なら、歩く衝撃を吸収し歩いても支障のないエスカレーターを作ればよいのだ。そのような施設でなければ設置できないように法で規制すればよい。そうすれば、メーカーは競ってそのような製品をつくるようになる。
 また、歩けない(非常に歩きにくい)エスカレーターを作るのも一つの方法だろう。歩けないというよりも歩きにくいエスカレーターは、技術的には制作可能だとおもう。一つ一つのステップの幅(奥行き)を今の2~3倍程度に拡げるのだ。そうすれば、歩こうとすると、いつも前足が同じ足になって歩きにくくなり、歩く人は激減するだろう。

 メーカーや設置者サイドは、「利用者のマナー向上を」と利用者側に責任転嫁し、利用者側の都合を無視しがちだ。これらの施設は、利用者側の気持ちも考え設置すべきだ。私たちは「運賃」という形でそのコストを既に負担しているのだから。

今週の読書ノート(~6月22日)
改訂版 実例・差別表現 あらゆる情報発信者のためのケーススタディ 堀田貢得・著 Softbank Creative・刊 2,400+TAX円
変貌する民主主義 森政稔・著 筑摩書房・刊 780+TAX円
フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理 今林瑛子・著 中央公論新社・刊 780+TAX円
電車の運転 運転士が語る鉄道のしくみ 宇田賢吉・著 中央公論新社・刊 840+TAX円
熱帯林の生態学 Xサルが木から落ちる スーザン・E・クインラン・著 藤田千枝・訳 さ・え・ら書房・刊 1,500+TAX円
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by taketombow | 2008-06-20 22:40 | 雑感  

地下鉄ホームの白い杖

昨日帰宅時のこと。

乗ろうとするホームの案内放送が始まったのとほぼ同時に、反対側ホームに電車が入り、開いた扉から大勢の人が外へ吐き出された。

人波がすうっと引いた後に、カチカチいう床を叩く音がする。
 年老いた2人連れの男女がホームの端から中央にある階段に向かって歩いてくる。先に歩いてくるのは、グレーのブレザーにチェック柄のスラックスをおしゃれに着こなした男性。軽めのショルダーバッグを肩にかけ、黄色い点字ブロックの上を先にさっさっと先に歩いていく。ホーム中央のエスカレーターを通り過ぎてホームの反対側の端まで向かいそうだ。後から、荷物を背中に背負い白い杖を持った女性が小走りで追いかける。

「お父さん、違いますよ!出口はここですよ」

 白い杖でこつこつと床を叩き音で婦人が知らせる。男性は立ち止まり何やら怒鳴っているが、内容は聞こえない。やっと追いついた女性は男性の腕を捉まえてエスカレーターのところまで連れていく。何やら文句を言いながら、それを振りほどこうとする男性。
 やにわに、肩にかけていたショルダーバッグを下へ落とした。ちょうどエスカレーターのステップにのり、ショルダーバッグは上へと運ばれてしまう。それを肩を落として見送る女性。

 遠くなので表情は見えないが、全身がその気持ちを物語っていた。


私の乗った電車の扉が閉まるまでの、ほんの短い時間に繰り広げられた光景だ。


 目がご不自由なのは、白い杖を持っていた女性ではない。男性の方だったのだ。
 多分、何らかの理由による中途失明なのだろうか。

突然やってきた余りにも厳しい現実を、受け容れられないでいる夫。
夫の落胆が自分のことのように分かり何とかしてあげようと必死な妻。

私は、そんな構図を頭に描いた。

彼が自分の手に白い杖を持ち、一人で外出するようになるのは、何時のことだろうか。


後期高齢者医療制度。
通常は75歳以上から加入なのだが、障害者からは、65歳から徴収している。

強者に対しては下手に、弱者には高圧的に、少数の富裕層より、多数の貧困層
対象に、取りにくいところよりも、取りやすいところから。
これは、資本主義社会において、企業が生き残るための原則だ。

この原則を最も忠実に実施しているのは、我が国の為政者かも知れない。
勿論、私たちが正当な選挙で"真剣に"選んだ"真っ当な"政権だ。

今週の読書ノート(~6月15日)
事故災害時のMCガイド AndersRuter/HeleneNilsson/ToreVikstrom・著 奥寺敬・監/訳 中山書店・刊 3,000+TAX円
少年たちはなぜ人を殺すのか キャロル・アン・デイヴィス・著/浜野アキオ・訳 文藝春秋新社・刊 1,000+TAX円
子どもが壊れる家 草薙厚子・著 文藝春秋新社・刊 700+TAX円
子どもをいじめるな 梶山寿子・著 文藝春秋新社・刊690+TAX円
10代のセルフケア6 傷つけられていませんか? ・・・虐待的な関係を見直す カーリーン・コブ・著 水澤都加佐・監 水澤寧子・訳 大月書店・刊 1,300+TAX円
技術チャレンジ しくみや使い方がよくわかる モーター図鑑 角田和雄・監 誠文堂新光社・刊 1,800+TAX円
決定版 日本の外来生物 多紀保彦・監/(財)自然環境研究センター・編/著 平凡社・刊 3,400+TAX円
香り選書1 サクラとウメの花の香り 堀内哲嗣郎・著 フレグランスジャーナル社・刊 1,400+TAX円
女は何を欲望するか 内田樹・著 角川書店・刊 705+TAX円
日月めぐる 諸田玲子・著 講談社・刊 1,600+TAX円
フレンズ 高嶋哲夫・著 角川春樹事務所・刊 952+TAX円
エア ジェフ・ライマン・著 古沢嘉通/三角和代・訳 早川書房・刊 2,400+TAX円
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by taketombow | 2008-06-13 20:41 | 雑感  

"焼け糞型"の犯罪を防ぐために  リベンジできる社会を

 秋葉原の通り魔大量殺人事件は衝撃的だった。

ここに改めて犠牲者の方々のご冥福と、負傷者の方々の一日も早いご回復をお祈りしたい。

 犯人の今後の処遇については、大多数を占める極めて感情的な意見を始めとして様々な議論が為されている。あれだけの惨劇を引き起こした結果から、世論が感情的になるのは当然であるし、死刑という声に反対するつもりも毛頭ない。

 しかし、今回の事件の原因を犯人の資質だけに限定してしまって良いのだろうか。或いは家庭の躾、育て方だけに責任を転嫁して良いのだろうか。

 成人して何年か経った子の行動にも、親はマスコミの前に引っ張り出され、晒し者にさせられなければならないのだろうか。

千葉の駅前連続殺傷事件、岡山のホーム突き落とし事件等々、この"やけっぱち""焼け糞"型犯罪の引き金を引いたものは、本当に個人の資質だけなのか。

私には全く実感はないが、今は異例な長期持続型の好景気だそうだ。大手企業は軒並み業績を上げ、株主配当も役員報酬も大幅にアップしている。それなのに、生活保護受給者数が増えているのは何を物語っているのか。

 派遣労働の受け入れ先の大手製造業は、派遣社員一人あたりに1万4千円程度支払ってると聞く。だが、派遣労働者は寮費、食費を天引きされた後手元には、月額4~5万円程度しか残らない。勿論保険も年金もない。派遣契約が切れたら、住むところさえも失う。

このような生活も彼らの「自己責任」なのだろうか。社会や政治の「自己責任」は問われないのだろうか。

 このような人たちから中間搾取することを法的に容認している社会構造に、本質的な歪みはないのだろうか。

 必死になってフルタイムで働いても、派遣労働だと年収は300万程度にしかならない。勿論年金、保険には入れないし、病気や怪我になった途端、生活は破綻する。これで、社会に対し何の敵意も恨みも持たずにいることは可能なのだろうか。

教育社会学者 東京学芸大学教授山田昌弘氏 の著書
「希望格差社会」 (2007.3.10刊)の副題

「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

が 私の頭をよぎる。

感覚が鈍っているのは特殊なことではない
その場に居たら?
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by taketombow | 2008-06-11 22:02 | ニースに接して  

鈴鹿「御在所、雨乞、鎌」日帰り縦走 その2

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赤い線が今回辿ったルート。下は、地獄谷上部にあった滝。名前は分からない。
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 2日の山行は、雨のため途中でショートカットしたので、7日に再チャレンジした。

7日は土曜日、8時台にも定期バスが走る。公共交通機関を使ってのチャレンジだ。
名古屋で伊勢中川行き 6時51分発、近鉄湯の山温泉発8時12分発、湯ノ山温泉バス停着8時20分はいつも通り。身繕いと簡単なストレッチを済ませ8時30分出発。

長丁場になるので、食事を含めてまとまった休憩は一切なし、歩きながら摂取できる行動食を小刻みに摂ることとした。また、疲労による筋肉痙攣を予防するために、ビタミンCとミネラル分を含んだスポーツドリンクをハイドレーションシステムで随時補給した。その量は2リットル。

各ポイントの通過時刻は以下の通りだが、記憶を頼りに書いただけなので、あまり正確ではない。出発時刻と到着時刻だけは正しい。

湯ノ山バス停 8時30分 ~ (一の谷新道) ~ 山上公園アザレア前 10時5分 ~ 望湖台 10時30分 ~ (地獄谷) ~ 地獄谷出合 ~ (上水晶谷) ~ 上水晶谷出合 ~ コクイ谷出合 11時30分 ~ (鉱山跡) ~ 杉峠 12時10分 ~ 雨乞岳 13時10分 ~ (クラ谷) ~ クラ谷出合 ~ (沢谷) ~ 武平峠 15時15分 ~ (県境稜線) ~ 鎌ヶ岳 16時15分 ~ (長石谷) ~ 湯ノ山バス停 18時5分 ~ 近鉄湯の山温泉 18時40分 近鉄湯の山温泉発18時58分発

できれば三交湯の山温泉発最終バス17時44分に乗りたかったが、間に合わず近鉄湯の山温泉駅まで約30分ほど余計に歩くこととなった。

「ヤマヒル」の被害は無かったが、地獄谷では大型獣の無数の新しい足跡、長石谷の上部では、ルートから数メートルの所でザワザワという音と気配を感じた。イノシシかニホンカモシカかは分からない。 薄暗い長石谷とバス道をタラタラと歩いて今回の山行を終えた。
 余計なバス道歩きのご褒美は一本の缶ビール。これが実に旨い。そのままホームのベンチで一寝入りしたいほどだった。
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by taketombow | 2008-06-09 11:46 | 私の山歩き