同じ著者による2冊。
日本の子どもと自尊心 自己主張をどう育むか 佐藤淑子・著 中央公論新社・刊 740+TAX円
学習がふるわない子ども達(若者達)にことばをかけると、「どうせおれはバカだから・・」「どうせボクはやっても出来ないから・・」とハナから諦め、努力そのものを拒否する子どもが多い。
「世の中にバカはいない!2種類の人間が存在するだけ。"怠け者"と"頑張れる奴" あなたはどっちなんだ?」
そう問いかけるのだが・・・。
「自尊心(セルフエスティーム self-esteem )」 ・・自己を肯定的に評価し、満足できる
の少ない子ども達はどのようにして育ったのか、どうしたら彼、彼女たちの自尊心を高めることが出来るのか。
長年、子どもに関わる仕事を続けてきたが、このことは常に頭から離れない課題であった。
社会に閉塞感が漂う中、行き着いた最悪の事態が、土浦駅前や秋葉原商店街での大量殺人事件であり、岡山駅ホーム突き落とし事件、厚生事務次官経験者殺人事件のような、やけくそ型の殺戮だ。
今、切実に、自尊心を正しく育むことが必要とされている。しかし、家庭での子育てはそれを意識して為されているのだろうか、また、その意識と、子育ての結果とは関連はあるのだろうか。性差と自尊心と関係はあるのだろうか。
謙虚さが賞賛される日本において、自尊心は常に歓迎されるとは限らない。そこに矛盾があるとしたら、自己主張できる子を育てるためにはどうすればいいのだろうか。また、個人主義を利己主義とはき違えて取り入れてしまったように、自尊心を独りよがりと間違えて受け容れられてしまう危険はないのだろうか。
日本人独特の自尊心を考察し、教育学の視点から、保護者の価値観の影響や、子どもの成長との関わりを多くの実態調査をふまえ、豊富なデータから明らかにする。
こちらは、本書の10年近く前に出版されたもの、イギリスと日本の子育ての具体的な比較が中心になっている。ざっと目を通すと、前述の図書の理解は更に深まる
イギリスのいい子日本のいい子 自己主張とがまんの教育学 佐藤淑子・著 中央公論新社・刊 680+TAX円